2009年2月22日日曜日

「時計が無いので見つけられない太陽と地面の種類」

細かい表情の別人のような違いから夏の太陽と冬の太陽とが別の太陽に見えるサングラスをかけて、一人二人と迷い込んでくる外国人観光客にエキゾチックな気分に浸ってもらうために地元住民が取る態度を無視して、日常のくだらない些細な物事について原始時代から受け継がれ世界中で共有されてきた感性についての雑談の例文集を暗記してから出かける旅の中で、次の列車が来るまでの待ち時間が世界一長いが暇つぶしの設備も世界一整っているため実質待ち時間が無い駅で、おじさんが少年の頃の悩みを思い出して打ち明けて話し合うことの出来る少女の部分が残っているおばさんに悩みを打ち明ける少年が腕に嵌めている、ある惑星と自分との位置関係がわかる時計よりも値段が高いある恒星と自分との位置関係がわかる時計が無いので見つけられない、さっぱりという言葉が好きでさっぱりという言葉を繰り返しつぶやきながら常に何かをさっぱりさせる作業を黙々とやっている男が、死ぬ前に自分の影にもお別れを言うために選ぶ最も濃い自分の影と会うことが出来る時間帯の太陽と地面の種類。

2009年1月21日「旅の中で少年が腕に嵌めている時計」2009年1月21日「男が選ぶ地面の種類」

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