「抜け殻に貼ってあるシール」

自分にはできない肯定的で良いことが出来る人は尊敬することが出来るが自分が出来ない否定的で駄目なことを出来る人を尊敬することなら出来る人が送る、本当はかわいがりたいのに法律で可愛がることが禁止されているので可愛がることが出来ないもの達に囲まれた社会での生活では存在しなかったことになっている、人格が溶けるほどの可愛がりかたを敵に気付かれないように出来るだけ長く続けた方が勝つ戦争で活躍する、人間を温室のような人間関係の中で育てようとするときに温室の屋根や壁などの役割をする方の人間を挟んで長引かせる、しっかりと抱き合っている二人の体温が様々な物理法則や化学反応により等しくなるのを実感できるようになるまでにかかる時間をカウントしている、大きめのぬいぐるみを持ち歩く人が増えたために人口が五割ほど増えたように感じる電車や公園に囲まれた、廃校の校庭の隅に並ぶ鉄棒全てにまるで誰かがぶら下がっているように見えるように並んでくくりつけられた制服の上着の抜け殻に貼ってある、貼ったものをゴミとして早めに捨てるようにするために邪悪な物事を表すシンボルマークばかりを集めてつくったシール。

（2009年5月1日「無かったことになっている時間をカウントしている抜け殻」＋2009年6月7日「シンボルマークばかりを集めてつくったシール」）